以上のように、長距離曳航では雲中にはいることがあり、ロートウでついているときは、特に危険である。野外飛行中のグライダーは、曳航索の張力が変化しても曳航機の姿勢が変らない位置につくのがもっともよい。
非常処置
突然、曳航索が切れたり、曳航機の故障によって、曳航が停止するようなことがある。
(1)心構え:「非常事態はいつ発生するかわからない。」という覚悟が必要である。不幸にもそんな事態が発生したとき、反射的・無意識的に操作を行わないで、少なくとも、数秒以上の時間を置き、冷静に慎重に処置しなければならない。場合によっては、地上からの指示に従って処置することもあるので、あわてないで、無線による指示または地上信号等に充分注意しながら対処する。
(2)判断とその処置:曳航中、ショックなくグライダーが取り残された状態になった場合には、曳航機かグライダーのレリーズが自然離脱したのか、あるいは索切れも考えられる。離陸直後にそのような事態が起きたときのことは、177ぺ一ジに詳述する。もしも、高度が充分にあれば、あわてて索を離脱して、地上の第三者に被害を与えないようにしなければならない。索切れの直後は機速が不足している。機速が充分にないと、その後の処置がとれない。機速に注意しながら、空中や地上の状態を確認して、索の離脱操作を行う。エンジン不調の場合も、ほとんど同じと考えてよい。
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